四面楚歌は、まわりが敵ばかりの状態のことを言いますが、なぜ「歌」という字が使われているのでしょう?そもそも楚って何?
そんな疑問を持つ方にむけて四面楚歌のルーツ(由来)や類語、例文を紹介!
さらに英語で四面楚歌はなんというのかもお伝えします。
四面楚歌の由来(ルーツ)を解説
四面楚歌という言葉は古代中国の戦いに由来します。
楚の将である項羽が周囲を敵に囲まれ、孤立無援の様子が詠われた故事から生まれました。
そこから「味方がなく孤立する状態」を意味する四字熟語として現代も使われています。
ルーツは史記
「四面楚歌」は『史記』の「項羽本紀」の一節になります。
『史記』とは司馬遷の著書。中国の歴史の名著で計52万6千5百字、全130巻。
紀元前、中国の楚漢抗争の中で項羽は数々の戦いで敗れ砦に立てこもります。ついには周囲を敵(漢軍)に包囲されてしまいました。
項羽の砦を取り囲んだ兵士たちは項羽の故郷である「楚」の国歌を歌い始めます。
それを聞いた項羽は「楚」はもう敵国に取り込まれてしまったと思い絶望しました。
漢文
夜聞漢軍四面皆楚歌、項王乃大驚曰、「漢皆已得楚乎。是何楚人之多也。」訳
引用:スタディサプリ進路
夜、漢軍が四方で皆、楚の歌を歌っているのを(項王が)聞き、項王はそこでとても驚いて言うには、「漢は皆すでに楚の地も取り込んだのか。これはなんと楚の国の兵が多いことよ」と。
こうしてまわりが敵ばかりで孤立してしまうことを「四面楚歌」というようになったのです。
四面楚歌の言い換え・類語
四面楚歌の言い換えには同じ四字熟語だと「孤立無援」が近い意味を持っているでしょう。
易しい言い方なら「敵ばかり」「味方がいない」と言い換えられます。
また、「行き詰まり」「八方塞がり」も四面楚歌の類語の候補にあげられます。
孤立無援の意味
全くひとりぼっちで、助けてくれる人やものがない状態
引用:Weblio辞書
八方塞がりの意味
方途がなく、活路が見いだせない状況などを意味する表現
引用:Weblio辞書
四面楚歌を使った例文
四面楚歌を使った例文を紹介します。
シチュエーション1.会社
大事な会議で失言した私は、会社で上司はおろか同僚や後輩にも味方はいない。まさに四面楚歌だ。
シチュエーション2.日常
町内会長の反感を買い悪い噂を言いふらされた私は、近所の人みんなから疎まれて四面楚歌の状態だ。
シチュエーション3.フィクション
私たちのいる山小屋はゾンビに囲まれてしまい四面楚歌に陥った。
四面楚歌を英語で言うと?
四面楚歌を英語で言うと
surrounded by enemies on all sides
「まわりを敵に囲まれている」
が直訳で近しい意味になるそうです。
上記の「シチュエーション1.会社」の例文を英語にすると以下のようになります。
After my slip-up in the meeting, I have no allies at the company—not just among my superiors, but also among my colleagues and junior staff. I am truly surrounded by enemies.
他にも下記のような英訳もあります。
まとめ
四面楚歌の由来や類語、例文、英語を紹介しました。
「四面(四方)から楚の歌が聞こえた」というエピソードがルーツとなっている四面楚歌は、まわりが敵ばかりで孤立しているという意味で使われる四字熟語です。
四面楚歌にならないよう、うまく世渡りしていきたいものですね。
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